目的:
平成17(2005)年度から平成23年度まで活動して来た「食品研究会」の後継として、「食」や「食品」の環境側面を評価する研究会を設立する。従来の食品研究会の活動はカーボンフットプリント(CFP)などCO2排出量の評価に着目していたが、新たな「食品研究会Part2」では、CO2のみならず他の環境領域も検討する。
活動概要:
研究会を2ヵ月に1回程度開催する。研究会では以下の事項を検討する。なお、検討結果についてはLCA学会年会で発表する。
- 1.食品のLCA評価の方法論の分析
- 最近、地球温暖化だけを考えるカーボンフットプリントから、様々な環境負荷を総合的に見るLCAへの回帰が顕著になって来た。ISOのウオーターフットプリント、サステイナブル・コンソーシアムのSMRS、EC・JRCのLCA評価手法、European Food Sustainable Consumption and Production Round Tableの活動などを勉強し、新しい「食品のLCA手法」を議論する。
- 2.外食産業のCO2排出量の推算
- 外食のCO2排出量は、ツーリズムの一要素として取り上げられているが、その算定方法がまだ開発されていない。また、家庭の食事と外食との比較は食品研究会の初期にテーマとしてあげられていたが、十分に議論されていない。最近では、節電の方法として外食が取り上げられる例もある。これらの議論の基礎として、外食のCO2排出量の算定とCO2排出削減の可能性を議論する。
- 3.食品と包材
- 食品の包装材料の開発は、単に食品保存だけではなく新しい食べ方の提案にまで発展している。食品の包装材料の機能とCO2を中心とする環境負荷の関係を整理し、今後の展開を考える。また包材の廃棄・リサイクルについて議論し、容器包装リサイクル法の今後のあり方を考える。
- 4.食品を通じたマテリアルフロー
- 現在リン(P)の枯渇が懸念されている。リンは肥料として農地に投入され、そこで生育された植物を動物が摂取するマテリアルフローになっている。このような、元素のフローを定量的に捉え、食生活と元素フローの関係について考察する。
主査: 稲葉 敦 (工学院大学)