目的:
ウォーターフットプリントの国際規格化、COP10など生態系への影響に関する関心の高まり、作業環境での化学物質曝露やレアメタルの需要増加などによる資源枯渇の懸念など、LCAにおいても取り扱うべき環境問題が多様化しており、それぞれの環境問題に関わるインパクト評価に対するニーズが高まっている。これまでにも様々なインパクト評価手法の開発が進められており、その高度化、新たな環境問題への対応や活用方法についての検討が求められている。本研究会では、これまでのインパクト評価手法の特徴の分析や適用事例の研究を通じた活用の在り方について議論を行う。
活動概要:
活動として、まず現状把握・分析と活用方法についての議論を中心とし、以下の事項を実施する。
活動の成果を学会研究発表会において発表する予定である。
- 1.インパクト評価手法の特徴と課題に関する分析
- Ecological Scarcity Method、Eco-indicator’99、LIME、ReCiPeなど、これまでに開発されているインパクト評価手法に加えて、土地利用、水資源消費、作業環境曝露など、新たなインパクトカテゴリに対応した評価手法の開発も進んでいる。これらの手法についてその特徴を整理すると共に、各評価手法の課題の抽出を通じて評価モデルの精緻化や新たな評価手法の枠組み作りの可能性について検討する。
- 2.インパクト評価の適用事例を通じた活用の在り方の検討
- インパクト評価手法を適用した事例について各種文献レビューおよび実施企業による事例紹介により、インパクト評価適用によるメリットおよび限界や注意すべき点などの論点を整理する。
研究会の進め方
各回で取り上げるトピックについて講師による解説、および当該トピックまたは関連する影響評価の事例紹介についての研究会メンバーからの紹介、それらを受けてのディスカッションを予定している。
2〜3カ月に1回程度の開催を予定しています。
研究会代表 本下 晶晴 (産業技術総合研究所)